【SHOEI Z-9 レビュー】Z-8から何が変わった?静かさ・涼しさ・インカム対応を公式データで検証|サイズの選び方も
※画像はイメージです。実際の色は SHOEI 公式サイトでご確認ください。
高速を1時間走ると首が張ってくる。風の音がうるさくて、夕方には耳も頭も疲れている。仲間とのツーリングでは、インカムの配線がどうにも野暮ったい。
Z-8 やひと世代前のヘルメットで長く走ってきた人ほど、こうした小さな疲れに覚えがあるはずだ。2026年9月16日に出荷が始まった SHOEI Z-9 は、ちょうどこの3点、つまり浮き上がり・風切り音・インカムに、公式の数値つきで手が入ったモデルだ。
これから Z シリーズを新品で選ぶなら、本命は Z-9。理由と、通販で失敗しない買い方を順に説明する。
※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。商品リンクから購入された場合、売上の一部が当サイトに還元されることがあります。紹介内容は SHOEI 公式情報をもとにした独自の調査で、報酬の有無で変えていません。
結論:Z-9 は「長く走っても疲れにくい」方向に進化した
| 気になっていたこと | Z-9 で変わった点(SHOEI 公式・Z-8 比) |
|---|---|
| 高速で頭が持ち上げられ、首が疲れる | ヘルメットが上へ浮こうとする力(リフト)が約13%、前から押される力(ドラッグ)が約3%低減 |
| 風切り音で耳と頭が疲れる | 100km/h 相当で、特に低い音域の騒音が小さい(自社風洞の参考値) |
| 夏場の蒸れ | アッパーエアインテークの流入量が約1.9倍、ロアが約1.4倍 |
| インカムが外付けで野暮ったい | SHOEI COMLINK に新たに対応(専用アダプターは別売) |
| グローブでシールドを操作しにくい | シールドロックボタンを大型化。厚手のグローブでも見つけやすく、操作しやすい |
いずれも SHOEI の自社測定による参考値で、体感は車種や季節で変わる。それでも、長距離で不満が出やすい部分にそろって手が入っている。
- シールドは Z-8 と同じ CWR-F2。Z-8 からの買い替えなら、手持ちのスモークやミラーのシールドをそのまま使える。
- Z-8 は公式掲載の全カラーが受注終了。残っているのは流通在庫だけだ。
▶ SHOEI Z-9(ソリッド)
※このショップで選べるのは S・M・L・XL の4サイズ・5色です(マットラジアントブルーの取り扱いはありません)。XS・XXL 以上やマットラジアントブルーを選ぶ場合は、ほかのショップも確認してください。
→ Z-9 以外の候補とも比べたい人は ツーリング向けフルフェイスヘルメットの比較5選(GT-Air 3・Arai ASTRO-GX・OGK KAMUI-3・OGK SHUMA・Schuberth S3 を快適性で比較)
長距離ツーリングで効く3つの進化
① 高速で頭が持ち上げられにくく、首が楽になる
SHOEI は、ロボットを使った自社の大型風洞で空力を詰めた。その結果、Z-8 と比べてリフトが約13%、ドラッグが約3%減っている。高速道路で頭が持ち上げられる感覚が減れば、首や肩に余計な力が入りにくい。数字は地味に見えても、300km を超える日帰りツーリングや連泊のツーリングでは、この差が積み重なっていく。
② 低い音が静かになり、夕方の疲れ方が変わる
公式は、100km/h 相当で Z-8 と風切り音を比べた結果を公開している。Z-9 は特に低い音域の騒音が小さい(自社大型風洞での参考値)。SHOEI 自身も「ヘルメット内の静粛性を高めることはライディングへの集中力を高め、ライダーの疲労も軽減します」と説明している。
風の音を抑えるボーテックスジェネレーター付きのシールドと、音の侵入を防ぐイヤーパッドは、Z-8 から引き継いでいる。新しいチークパッドは首回りを包み込むようにフィットし、被り口から風が入るのも抑える。
③ 蒸れにくく、雨や寒い日も視界を確保しやすい
左右のアッパーエアインテークをあご側の中央に集めたことで、流入量は Z-8 比で約1.9倍になった(ロアは約1.4倍)。
シールドまわりも使いやすくなっている。曇り止めの防曇シートは標準で付属し、シールドを少しだけ開けられる微開ポジションもある。シールドの密着具合は、左右それぞれ1mm程度まで微調整できる。ロックボタンは大型化され、厚手のグローブをした冬場でも見つけやすい。朝晩の冷え込みや雨の日でも、視界を保ちやすい。
インカム派には最大の進化:COMLINK 対応
仲間とインカムで話しながら走る人にとって、Z-9 の最大の進化は SHOEI COMLINK 対応だ。耳元のスペースに加えてマイクを付ける専用スペースがあり、別売の「SHOEI COMLINK アダプター」(3,300円・税込、左右とバッテリー用の3点、クリップ式)を使えば、専用設計のインカムがすっきり収まる。
- 対応インカム:サインハウス B+COM SX1、SENA SRL3
- 注意点1:アダプターが使えるのは XS〜XXL。XXXL・XXXXL は現時点で非対応。
- 注意点2:旧 SENA の SRL・SRL2・SRL-MESH は使えない。
「どちらのインカムを選ぶか」「総額はいくらか」は、次の記事で比べている。
→ Z-9 のインカム|専用2機種と「Gen3 では通じない3つの落とし穴」
→ SENA SRL3 vs B+COM SX1 比較
▶ SHOEI Z-9(ソリッド)
Z-8 からの変更点(一覧)
| 項目 | Z-8(受注終了・流通在庫のみ) | Z-9(2026年9月16日出荷開始) |
|---|---|---|
| 帽体 | AIM+ | AIM+ |
| 規格 | JIS | JIS |
| シールド | CWR-F2 | CWR-F2(互換あり/ロックボタン大型化) |
| COMLINK | 非対応 | 対応(別売アダプター) |
| 換気 | 4か所 | 4か所/アッパー約1.9倍・ロア約1.4倍 |
| 空力 | ── | リフト約13%・ドラッグ約3%低減 |
| 静音 | ── | 低音域の騒音が小さい(参考値) |
| 内装 | フル脱着 | フル脱着・吸水速乾と起毛のハイブリッド生地 |
| 重量 | L で1,415g(ソリッド) | L で1,468g(ソリッド・Z-8 より53g 重い) |
規格は JIS に適合している。緊急時に第三者がヘルメットを外しやすくする E.Q.R.S.(エマージェンシー・クイック・リリース・システム)も備える。
重量について正直に書いておく。2026年10月4日、SHOEI 公式の重量表に Z-9 の数値が掲載された。ソリッドで M 1,445g・L 1,468g と、Z-8(M 1,384g・L 1,415g)より M〜XXL で約50〜75g 重い(S はほぼ同じ)。「軽量・コンパクト」は Z シリーズのコンセプトとして引き継がれているが、Z-8 より軽くなったモデルではない。一方で、インナーサンバイザー付きの GT-Air 3(L 1,672g)よりは約200g 軽い。
パーツの互換性の詳細は → Z-9 のシールド・パーツ|Z-8 から引き継げるのはどれか
カラーとサイズ
ソリッドは6色ある。光沢はルミナスホワイト・パールブラック・チョークグレー、マットはマットブラック・マットスレートグレー・マットラジアントブルーだ。
サイズは XS(53cm)〜XXXXL(67cm)の8種類。ただし XXXL・XXXXL はルミナスホワイト・パールブラック・マットブラックの3色に限られ、COMLINK も使えない。DIGGIA ECHO は2026年9月16日に出荷を開始した。グラフィックモデルは BURNSIDE(2026年10月21日出荷開始)・KABOOM(2026年11月発売予定)・RONIN’S REST(2026年12月発売予定)が順に登場する(SHOEI 公式・2026年9月26日確認)。BURNSIDE と DIGGIA ECHO は XS〜XXL で、KABOOM・RONIN’S REST のサイズ展開は公式ページで確認してほしい。
▶ SHOEI Z-9(ソリッド)
※このショップで選べるのは S・M・L・XL の4サイズ・5色です(マットラジアントブルーの取り扱いはありません)。XS・XXL 以上やマットラジアントブルーを選ぶ場合は、ほかのショップも確認してください。
通販でサイズを外さない選び方
ヘルメットを通販で買うときにいちばん不安なのは、サイズだろう。SHOEI 公式のサイズガイドと内装パーツの情報をもとに、注文前・届いたとき・合わなかったときの3段階で整理する。
① 注文前:頭囲を正しく測る
SHOEI 公式の測り方は、眉毛の上2cm・耳の付け根の上2cm・後頭部のいちばん出っ張っている部分の3点を通るように巻き尺を巻く方法だ(SHOEI 公式・正しいかぶり方)。ひとりだと巻き尺が斜めになりやすいので、鏡を見ながら、できれば家族に手伝ってもらうと正確に測れる。測った数値を、公式のサイズ表に当てはめる。
| サイズ | XS | S | M | L | XL | XXL | XXXL | XXXXL |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 頭囲の目安 | 53cm | 55cm | 57cm | 59cm | 61cm | 63cm | 65cm | 67cm |
(出典:SHOEI 公式・サイズの選び方)
ただし SHOEI 自身も「ハチ周りだけではサイズを特定することはできない」としている(公式FAQ)。頭の形(前後に長いか、左右に広いか)で当たり方が変わるからだ。手持ちのヘルメットのサイズ表記をそのまま流用するのではなく、Z-9 のサイズ表で測り直すのが基本になる。
② 届いたとき:5つのポイントでフィットを確かめる
届いたら、屋外で使う前に室内でかぶり、SHOEI 公式が挙げる次の5点を確認したい。
- 頭頂部がヘルメット内部のてっぺんに当たっている
- チークパッド(頬の部分)に頬が密着している
- 額とヘルメットの間に、指が入るような隙間がない
- 両手でヘルメットを上下左右に揺らしても、簡単に動かない(簡単に動くならサイズが大きい可能性)
- 一部に違和感や痛みがない(あるならサイズが小さい可能性)
③ 少しきつい・ゆるいとき:内装で微調整できる
Z-9 は内装がフル脱着式で、SHOEI 公式の内装サイズ早見表に掲載されている。センターパッド(TYPE-R・7,150円)とチークパッド(TYPE-U・8,140円)を厚みの違うものに替えて、きつめ・ゆるめに調整できる(どの厚みを選べるかはヘルメットのサイズごとに異なるので、早見表で確認してほしい)。「サイズはほぼ合っているが、頬が少し圧迫される」「少しだけ動く」といった程度なら、ヘルメットごと替えなくても内装で詰められる。
⚠️注文前に、ショップの返品・交換条件を確認する
ショップによっては、サイズ違いを含むお客様都合の交換・返品を受け付けていない。注文する前に、購入するショップの「会社概要」ページにある返品・交換の条件を必ず確認しておきたい。だからこそ、①の測定を丁寧に行うことがいちばんの保険になる。
Z-9 を今選ぶべき人・Z-8 の在庫が合う人
Z-9 が向いている人
- 高速を使う長距離ツーリングで、首や耳の疲れを減らしたい
- 仲間とインカムで話しながら走りたい
- Z-8 から買い替える(CWR-F2 シールドをそのまま使える)
- これから長く使う1個を、現行モデルで選びたい
Z-8 の在庫が合う人
- 少しでも軽いほうがいい(Z-8 は M〜XXL で Z-9 より約50〜75g 軽い)
- インカムを使わず、欲しい色とサイズの在庫を手頃な価格で見つけている
→ 詳しい比較は SHOEI Z-9 vs Z-8 比較
→ Arai と迷っているなら SHOEI Z-9 vs Arai X-SNC|高速の静かさか、首の軽さと風か
→ サンバイザー付きの GT-Air 3 と迷っているなら SHOEI Z-9 vs GT-Air 3 比較|サンバイザーか、小ささか
→ ほかのツーリング向けフルフェイスとまとめて比べるなら ツーリング向けフルフェイス比較5選(GT-Air 3・Arai ASTRO-GX・OGK KAMUI-3・OGK SHUMA・Schuberth S3 を快適性で比較)
▶ SHOEI Z-9(ソリッド)
SHOEI Z-8(受注終了済み・流通在庫)
よくある質問
Q. 重量は? Z-8 より軽い?
Z-8 より軽くはない。SHOEI 公式の重量表(ソリッド)で、Z-9 は M 1,445g・L 1,468g、Z-8 は M 1,384g・L 1,415g。M〜XXL で約50〜75g 重い(S はほぼ同じ)。インナーサンバイザー付きの GT-Air 3(L 1,672g)よりは約200g 軽い(2026年10月4日確認)。
Q. 今使っている Z-8 のシールドは使える?
使える。シールドは同じ CWR-F2 だ。ただし内装は Z-9 専用になる。
Q. インカムは?
B+COM SX1 と SENA SRL3 に対応する(XS〜XXL・別売アダプターが必要)。
Q. 通販でサイズを間違えないか不安です
SHOEI 公式の方法(眉毛の上2cm・耳の付け根の上2cm・後頭部のいちばん出っ張った部分を通す)で頭囲を測り、サイズ表に当てはめる。届いたら室内でかぶって5点を確認し、少しきつい・ゆるい程度なら内装の厚みで調整できる。お客様都合の交換・返品を受け付けないショップもあるので、注文前に条件を確認してほしい(→通販でサイズを外さない選び方)。
Q. Z-8 の在庫と Z-9、今買うならどちら?
Z-8 に強いこだわりがなければ Z-9 だ。Z-8 は全カラーが受注終了していて、色とサイズの選択肢は減っていく。Z-9 は COMLINK 対応に加え、空力・静音・換気がそろって進化している。
まとめ
Z-9 は、見た目の新しさ以上に「長く走っても疲れにくい」方向へ進化した Z シリーズだ。浮き上がりは約13%減り、低音域の風切り音は小さくなり、アッパーの換気は約1.9倍になった。インカムもすっきり付けられる。Z-8 のシールドを引き継げるので、Z-8 からの買い替えなら無駄も少ない。
週末の日帰りツーリングや、年に何度かの泊まりがけの旅を、これから何年も一緒に走る1個として、Z-9 は現行の Z シリーズで最も有力な選択肢だ。
▶ SHOEI Z-9(ソリッド)
あわせて読みたい
- Z-9 のインカム|専用2機種と必須アダプター3,300円(本記事の「COMLINK 対応」の先。総額・XXXL/XXXXL の制限・Gen3 との違いまで)
- SHOEI Z-9 vs Z-8 比較(Z-8 は受注終了済み。空力・静かさ・換気・インカム・重さを公式データで比較)
- SHOEI Z-9 vs Arai X-SNC|ツーリングで選ぶならどっち(同じ9月発売の Arai との二択。高速の静かさの Z-9 か、首の軽さと風の X-SNC か。曇り止め込みの総額まで)
- SHOEI Z-9 vs GT-Air 3 比較|サンバイザーか、小ささか(Z-9 と GT-Air 3 で迷ったら。日差しとトンネルに強いサンバイザーか、軽快な小ささかで選ぶ)
- SHOEI Z-9 の色とサイズの決め方(カラー×サイズの対応表まで)
- SHOEI Z-9 のシールド・パーツ|Z-8 から引き継げるのはどれか(公式24品目を Z-8 と対照。シールドは引き継げるが内装は別物。CWR-F2 と CWR-F2R の違いも)
- SHOEI COMLINK 完全ガイド(Z-9 が新対応した COMLINK の仕組みと対応インカム)
- SENA SRL3 vs B+COM SX1 比較(Z-9 対応の専用設計インカム2機種を通信方式・価格で選ぶ)
- SHOEI Z-8 レビュー(Z-9 の前モデル・軽さと静粛性の定番フルフェイス)
- SHOEI GT-Air 3 レビュー(インナーバイザー付き・COMLINK 対応のツーリングフルフェイス)
- SHOEI Z-8 vs Arai RX-7X 比較(ショウエイかアライか・上級フルフェイス対決)
- SHOEI Z-8 vs Arai ASTRO-GX 比較(ショウエイかアライか・用途別の選び方)
出典・参考記事
- SHOEI 公式 Z-9 製品ページ(出荷開始日・カラー展開・グラフィックの発売時期・空力(ロボットを使用した自社大型風洞)・静音性(100km/h 相当・低音域・参考値)・シールドロックボタン大型化・シールド密着の微調整(左右1mm程度)・首回りを包むチークパッド・COMLINKアダプター対応サイズ XS〜XXL。2026年9月26日確認)/SHOEI 公式 Z-9 スペック(帽体5種類。重量は下記「重量・外形寸法」に掲載。2026年10月4日確認)/SHOEI 公式 Z-9 パーツ一覧(COMLINKアダプター 3,300円。2026年9月25日確認)
- SHOEI 公式 ヘルメット重量・外形寸法(Z-9 はソリッド M 1,445g・L 1,468g。2026年10月4日に掲載を確認/Z-8 は L=ソリッド1,415g・グラフィック1,409g)
- SHOEI 公式 Z-8 製品ページ(掲載全26カラーに受注終了の注記。ソリッド・主要グラフィックは2026年5月31日)
- サイズ:SHOEI 公式 サイズの選び方(サイズ表)/正しいかぶり方(頭囲の測り方・フィット確認の5点)/サイズについての FAQ/内装サイズ早見表(Z-9 のセンターパッド・チークパッド。2026年9月25日確認)
※仕様・対応・パーツ価格は2026年9月26日時点の SHOEI 公式値。重量は2026年10月4日確認の SHOEI 公式値。最新情報は SHOEI 公式・各販売ページで確認のこと。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。






この記事へのコメントはありません。