【SENA 60X vs B+COM 7X EVO 比較】400円差の同格対決は「充電と操作」で決まる

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【SENA 60X vs B+COM 7X EVO 比較】400円差の同格対決は「充電と操作」で決まる

【SENA 60X vs B+COM 7X EVO 比較】400円差の同格対決は「充電と操作」で決まる

 

※本記事の画像はあくまでイメージです。実際の本体・フェイスプレートのカラーや配色は、SENA 公式サイト・サインハウス公式サイトでご確認ください。

インカムの最上位機を買うと決めたあと、最後に残るのが「SENA か、B+COM か」だ。

その最新の対決が、SENA 60X と B+COM 7X EVO になる。ところが両者を並べた瞬間、判断材料がひとつ消える。

シングルの価格差が、たった400円しかない。60X が59,800円(税込)、7X EVO が59,400円(税込)。しかも2台セットで買うと113,800円と114,400円になり、今度は600円だけ 60X のほうが安くなって順番が入れ替わる。

つまりこの2機種は、値段で選べない。6万円前後という決して安くない買い物なのに、「安いほう」という逃げ道が存在しないのだ。

  • 値段が同じなら、どこで決めればいいのか
  • 新しい 60X を人柱で買っていいのか。国産のサポートを捨てていいのか
  • スペック表を眺めても、結局どっちが自分向きなのか分からない

この記事では、SENA 公式とサインハウス公式のスペックを突き合わせて、

  • この2機種の設計思想が正反対になっている「充電」の話(60X は置くだけ、7X EVO は外して充電)
  • グローブのままどちらが操作しやすいか(ジョイスティック × ボイスコマンド)
  • 通話時間29時間と14時間という大きな差を、条件をそろえてどう読むか
  • 68g と 63g、そして「重さより効く」形状の違い

を整理する。読み終えたとき、「自分はこっちだ」と理由を言葉にして選べる状態になることを目指した。

※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。商品リンクから購入された場合、売上の一部が当サイトに還元されることがあります。評価・紹介内容は公式スペックと第三者レビューに基づく独自の調査によるもので、報酬の有無で内容を変えていません。

結論:価格では選べない。「置くだけ充電」か「外して充電」かで決める

先に結論を出す。この2機種は優劣ではなく、充電と操作の思想が正反対であることで選び分けられる。

SENA 60X が向く人

  • 充電のたびにケーブルを挿すのが面倒。Qi 規格対応のワイヤレス充電で「置くだけ」にしたい
  • 1泊以上のツーリングが多く、Bluetooth 最大29時間/メッシュ最大19時間という電池の余裕がほしい
  • グローブをしたまま手探りで操作したい。ジョイスティック+カスタムボタン2の物理操作に魅力を感じる
  • 音は Sound by BOSE、通信は最大24人のグループメッシュという「全部入り」を取りたい

B+COM 7X EVO が向く人

  • ヘルメットに付けっぱなしにするので、63g という軽さと横長の薄い形を優先したい
  • マグネット&レバーロック式クレードルで、本体をワンタッチで外して充電・保管したい
  • 国産メーカー(サインハウス)の日本語サポートと修理の近さを重視する
  • 声で操作したい。ボイスコマンドを日常的に使うつもりがある

ひとつだけ、先に注意点を書いておく。「つながる人数」と「同時に話せる人数」は別だ。SENA 公式は「同じグループ内で同時に発話できる最大人数は6 人までとなっており、7人目がマイクに向かって話そうとすると、ビープ音が聞こえ、相手に声は伝わりません」と明記している(出典:セナ・メッシュとは?・2026年9月7日確認)。24人は「つながれる人数」であって会話が成立する人数ではない。人数だけで優劣を決めないでほしい。

ここまでで自分に近いほうが見えたなら、価格と在庫だけ先に確かめておくと読み進めやすい。

SENA 60X

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B+COM 7X EVO ペアユニット(2台セット)

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SENA 側の候補が 60S EVO でもいい、という人へ。60X と 60S EVO はメーカー希望小売価格が1円も違わない。60S EVO と 7X EVO の対決は音質・通信・保証の思想差が焦点になるため、そちらは SENA 60S EVO vs B+COM 7X EVO 比較 に分けてある。SENA 内で 60X と 60S EVO のどちらかを決めたいなら SENA 60X vs 60S EVO 比較 が近い。まだブランド自体で迷っているなら SENA と B+COM どっち? から読むと整理しやすい。

SENA 60X と B+COM 7X EVO の基本情報

まず両機の公式スペックを一覧で押さえる。

項目 SENA 60X B+COM 7X EVO
メーカー SENA(国内=SENA Bluetooth Japan) サインハウス(国産・B+COM)
価格(シングル・税込) 59,800円 59,400円
価格(デュアル/ペア・税込) 113,800円 114,400円
発売 先行2026年9月4日(SENA プロショップ)/一般2026年9月11日(全国バイクショップ) 2026年3月27日
通信 Bluetooth 5.3/Mesh 3.0・2.0 Bluetooth 5.3(Class1)/B+FLEX(MESH+ONLINE の自動最適化。ONLINE はβ版での提供)
接続人数 グループメッシュ最大24人(同時発話は6人まで)/オープンメッシュ6チャンネル・参加人数制限なし プライベートモード最大20人/オープンモード人数無制限
連続通話/連続使用 Bluetooth 最大29時間/メッシュ 最大19時間 最大14時間(公式表記は「連続使用時間」・モードの明記なし)
充電 USB Type-C 約1.5時間/ワイヤレス充電(Qi 対応)約1.5時間 USB Type-C 約2時間(ワイヤレス充電の記載なし)
操作 新開発ジョイスティック+カスタムボタン2 マグネットクレードル(マグネット&レバーロック式)/ボイスコマンド
音響 SOUND BY BOSE/AI ベースノイズキャンセリング/FM ラジオ内蔵 B+COM Ride Audio(パイオニアと共同開発)
スピーカー 40mm・厚み9mm 外径Φ40mm×D10.7mm(ネオジムマグネット・16Ω)
本体サイズ 89×44×26mm W111.3mm×H51.7mm×D24.4mm
重量 68g 63g
防水 IPX7 IP67相当
保証 「限定生涯保証」(※保証規定ページの表記は2年) 1年(SYGN HOUSE .MEMBERS 登録で追加1年=実質2年)

(出典:SENA 60X 機能・仕様/SENA 60X パッケージ/SENA「60X」発売日・価格決定のお知らせ/サインハウス公式 B+COM 7X EVO。確認日 2026年9月7日)

価格は変動する。実勢価格と在庫は各販売ページで確認してほしい。

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この2機種のどちらかを選ぶと得られること

スペック表は情報量が多いが、6万円を払って手に入るものは、実はそれほど多くない。この価格帯の2機種を選ぶことで得られる価値は、次の3つに集約できる。

  1. 「電池が切れる/充電を忘れる」という不安から解放される ── 日帰りはもちろん、1泊ツーリングでも走行中に切れない電池と、ストレスの少ない充電方法が手に入る。ここは両機で解き方がまったく違う
  2. 走りながら手を止めずに操作できる ── グローブのまま、あるいは声だけで、音楽・通話・インカムを切り替えられる。ここも両機で解き方が違う
  3. 仲間との会話が、途切れずに成立する ── メッシュ通信で、はぐれても自動で復帰する。ツーリングの快適さに直結する部分で、ここは両機とも同じ方向を向いている

ここから先は、この3つの価値がそれぞれ何によって裏づけられているのかを、公式スペックで1つずつ確認していく。最初に見るのは、両機の差がいちばん大きく出る「充電」だ。

いちばん大きな違いは「充電をどうするか」

1つ目の価値「電池の不安から解放される」を支えるのが、ここだ。そしてこの2機種は、まったく逆の答えを出している。

SENA 60X:Qi 規格対応で「置くだけ」約1.5時間

60X は、インカムでは珍しいワイヤレス充電に対応する。SENA 公式の仕様表には「ワイヤレス充電(Qi 規格対応):約1.5時間」と明記されている。有線の USB Type-C でも約1.5時間なので、ワイヤレスにしても充電時間が延びない点が特徴だ(出典:SENA 60X 機能・仕様・2026年9月7日確認)。

製品ページの表現は「Qi対応ワイヤレス充電。ケーブルを探す必要はない」(出典:SENA 60X 製品ページ)。そしてグローバル公式は、互換性の条件を「Qi-certified chargers(Qi 認証済みの充電器)」と記載している(出典:SENA(US) 60X)。Qi 認証を取得した充電パッドであれば使えるという読み方になる。宿に着いてヘルメットから外し、スマホと並べて置いておく──そういう運用が想定できる。

B+COM 7X EVO:マグネットで外して有線約2時間

7X EVO にワイヤレス充電の記載はない。充電方法は USB Type-C で、約2時間(DC5.0V USB Type-C 端子)と公式に記載されている(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO・2026年9月7日確認)。

ただし 7X EVO は、充電のために本体をヘルメットから外すこと自体を作り込んでいる。公式は新しいクレードルをこう説明する。

「マグネット&レバーロック式クレードルが解決。マグネットによる『つけやすさ』に加え、保持面をフラットに仕上げることで驚くほどの『はずしやすさ』を実現しました。」(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO)

つまり 7X EVO の答えは「外しやすくする」であり、60X の答えは「外したあと置くだけにする」。同じ「充電が面倒」という悩みに対して、解決する場所が違う。

公平を期すために書いておくと、60X 側にもマグネット式マウントの記載はない。60X の同梱物は「ヘルメットクランプ&スピーカーセット×2」と「貼り付け式マウントプレート×2」で、取り付け方式そのものについての説明は公式ページに見当たらなかった(出典:SENA 60X パッケージ・2026年9月7日確認)。ただし SENA のグローバル発表は、クランプキットを2セット同梱する狙いを「ライダーが対応ヘルメット間でヘッドセットモジュールを素早く移動できる」ことだと説明している(出典:SENA(US) 60X 発表)。「複数のヘルメットで使い回す」ことを想定している点は、両機に共通する。違うのは、そのための機構を 7X EVO はマグネットで、60X はクランプキットの複数同梱で解いていることだ。

注意:60X のパッケージに Qi 充電器は入っていない

ここは購入前に知っておいたほうがいい。SENA 公式のシングルパック同梱物リストに、ワイヤレス充電器(充電パッド)の記載はない。同梱される充電関連の付属品は「USB Type-C 充電ケーブル」だけだ(出典:SENA 60X パッケージ・2026年9月7日確認)。

つまり、箱を開けてすぐ「置くだけ充電」ができるわけではない。Qi 充電パッドを持っていない人は別途用意することになる。ワイヤレス充電を目当てに 60X を選ぶなら、この一手間を織り込んでおきたい。

なお、必要な充電器は前述のとおりグローバル公式が「Qi 認証済みの充電器」と記載している。ただし出力(W数)などの細かい条件までは公式に記載を確認できなかったため、手持ちのパッドで想定どおりの時間で充電できるかは実機で確かめることになる。

自分の運用はどちらに近いか

充電の仕方 向いているのは
宿やガレージで、スマホと一緒にパッドへ置きたい SENA 60X
ヘルメットに付けっぱなしにして、たまに外して充電したい B+COM 7X EVO(外しやすさが効く)
ツーリング先でモバイルバッテリーから充電したい どちらも USB Type-C で可(60X は約1.5時間と短い)
そもそも1回の充電で走り切りたい SENA 60X(後述の通話時間で差が出る)

操作系:ジョイスティックとボイスコマンド、グローブで勝つのは

2つ目の価値「走りながら手を止めずに操作できる」を支える部分。ここも両機のアプローチが分かれる。

SENA 60X:新開発ジョイスティック+カスタムボタン2

60X の操作系は、ジョイスティックとカスタムボタン2つの組み合わせになった。SENA 日本公式は「新開発ジョイスティックを採用。クセになる操作感で、グローブを着けたまま思い通りに操作できる」「2つのカスタムボタンで、よく使う機能へ素早くアクセス」と説明している(出典:SENA 60X 製品ページ・2026年9月7日確認)。グローバル公式も「Sena 初のジョイスティック搭載ヘッドセット」と位置づけ、ボタン配置はアプリから割り当てを変更できるとしている(出典:SENA(US) 60X)。

海外メディアも 60X を紹介する見出しに「joystick controls & wireless charging」を掲げており、この機種の訴求の中心が操作と充電にあることが分かる(出典:ADV Pulse: Sena Debuts 60X Headset With Joystick Controls & Wireless Charging)。

ジョイスティックは、方向の操作を指の感触だけで区別できる方式だ。ただし上の「グローブを着けたまま思い通りに操作できる」はメーカー自身の説明であり、第三者による検証結果ではない点は分けて読んでおきたい。

B+COM 7X EVO:ボイスコマンドと物理操作の組み合わせ

7X EVO はボイスコマンドを搭載する(サインハウス公式は 7X EVO のみの機能として記載)。手を離さずに声で操作できるので、そもそも本体に触れる回数を減らすという考え方だ。

ただし、対応言語数やインターネット接続なしで動くかどうかは、サインハウス公式の製品ページで確認できなかった。掲載されているボイスコマンド一覧は日本語のみの表記だった(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO・2026年9月7日確認)。「40言語対応」「オフラインで動く」といった数字は、本記事では断定しない。

「操作しやすい」は、慣れの作り直しでもある

ここは正直に書いておきたい。60X のジョイスティックは新しい方式であり、これまで SENA のジョグダイヤルに慣れてきた人にとっては「操作の作り直し」になる。指が覚えた動きは、機種を変えると一度リセットされる。

そして 2026年9月7日時点で、60X は先行販売が始まったばかり(2026年9月4日)で、一般発売は9月11日。長期使用のレビューはまだ蓄積されていない。「ジョイスティックのほうが確実に使いやすい」と断定できる材料は、現時点では存在しない。

一方の 7X EVO は2026年3月27日発売で、すでに半年近く流通している。実際に使った人の声を読んでから決めたいなら、7X EVO のほうが情報を集めやすいのは事実だ。この差は、スペック表には出てこない。

通話時間:29時間と14時間──ただし条件をそろえて読む

1つ目の価値をもう一段掘る。カタログ上の数字の差は、この記事で最も大きい。

SENA 60X:Bluetooth 最大29時間/メッシュ 最大19時間

SENA は連続通話時間をモード別に分けて公表している。Bluetooth 利用時が最大29時間、メッシュ利用時が最大19時間だ(出典:SENA 60X 機能・仕様・2026年9月7日確認)。

ツーリングでメッシュを使い続けた場合の目安は19時間。1日8時間走っても2日は持つ計算になる。

B+COM 7X EVO:「最大14時間」──ただしモードの明記がない

7X EVO の公式スペックは「最大14時間」。ただし項目名は「連続使用時間」であって、SENA のようにモード別に分けた「連続通話時間」ではない。これがメッシュ利用時なのか Bluetooth 利用時なのか、公式ページに明記が見当たらない(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO・2026年9月7日確認)。

だからこの2つを「29時間 対 14時間で2倍以上の差」と並べるのは、条件をそろえていない比較になる。60X の29時間は Bluetooth 利用時の値であり、メッシュ同士で比べるなら 60X は19時間だ。19時間と14時間なら差は約5時間で、印象はかなり変わる。

とはいえ、測定条件が不明なまま比べても、60X が長い側にいることは動かない。メッシュ19時間と最大14時間、どちらの読み方をしても 60X が上回る。数字の大きさを煽らずに、「電池は 60X のほうが余裕がある」と理解しておけば十分だ。

1泊ツーリングで足りるのはどちらか

使い方 SENA 60X B+COM 7X EVO
日帰り(走行6〜8時間) 余裕 足りる
1泊2日・宿で充電できる 余裕 足りる
1泊2日・充電を忘れた メッシュ19時間なので2日目も持つ可能性が高い 14時間なので2日目は厳しい
連泊・充電環境が読めない 60X が有利(Qi と有線の両方が使える) 有線での計画的な充電が前提

「充電を忘れる自分」を想定するなら 60X。「毎晩きちんと充電する自分」を前提にできるなら、この差は実用上ほぼ問題にならない。

装着感:68g と 63g、そして「形が違う」

3つ目の価値の前に、毎日の使い勝手を左右する部分を見ておく。

重量差5g より効くのは、形状の違い

カタログ重量は 60X が68g、7X EVO が63gで、7X EVO のほうが5g軽い(出典:前掲の両公式ページ)。ただし5gは1円玉5枚ぶんで、ヘルメットに付けた状態で体感できる差とは言いにくい。

それより効くのが、本体の形だ。

SENA 60X B+COM 7X EVO
幅 89mm 111.3mm
高さ 44mm 51.7mm
厚み 26mm 24.4mm

60X は幅89mm・高さ44mmと小さくまとまるかわりに、厚みが26mmある。対して 7X EVO は幅111.3mm と2cm以上長い横長で、厚みは24.4mm と薄い。

  • ヘルメットの側面から出っ張る量を抑えたいなら → 7X EVO(薄い)
  • ヘルメットの側面で占める面積を抑えたいなら → 60X(小さい)

シェルの形状やベンチレーションの位置によって、どちらが収まりよく付くかは変わる。同じ「装着感」でも、気になるポイントが人によって違うということだ。取り付けるヘルメットが決まっているなら、側面の平らな面積を実測してから選ぶと失敗が少ない。

防水:IPX7 と IP67相当

  • SENA 60X:IPX7
  • B+COM 7X EVO:IP67相当

IPX7 の「X」は防塵性能を試験していないという意味で、防水等級は両者とも7で同じだ。IP67 は防塵6級が加わるぶん表記としては上になるが、防水性能そのものは同等と読める。雨天走行での実用差は、この数字から読み取れる範囲では大きくない。

通信の思想:Mesh 3.0 と B+FLEX

3つ目の価値「会話が途切れずに成立する」を支える部分。ここは両機とも「メッシュ通信」を軸にしつつ、遠距離の解き方が異なる。

接続人数と、同時発話6人の話

SENA 60X B+COM 7X EVO
非公開グループ グループメッシュ 最大24人 プライベートモード 最大20人
公開グループ オープンメッシュ6チャンネル・参加人数制限なし オープンモード 人数無制限
通信距離 2.0km(見通しの良い環境) 公式製品ページに数値の記載を確認できず

数字だけ見れば 60X の24人が多い。ただし冒頭で書いたとおり、SENA のメッシュで同時に発話できるのは6人までだ。24人でつながっても、会話が成立するのはそのうち6人。10人を超えるマスツーリングで「24人 対 20人」の差が実用上効いてくる場面は、そう多くない。

なお B+COM 側に同種の同時発話制限があるかは、公式で確認できなかった。「B+COM は制限がない」とは書けない。

遠距離は、どちらもモバイル回線頼み

近距離のメッシュを超えた通話について、両社ともスマホのデータ通信を使う仕組みを持つ。

  • SENA:Wave Intercom という、モバイルデータ通信経由で距離の制約を超える仕組みがある。60X は、SENA 日本公式の製品ページに「WAVE INTERCOM x MESH3.0」の節があり、Wave Intercom に対応している(2026年10月10日確認。機能・仕様ページには記載なし)。
  • B+COM:B+FLEX として、「MESHとONLINEという二つの通信方式が、一つのグループ内で完全に共有し、自動で最適化」すると公式は説明する。ONLINE 側はインターネット回線を使うため、スマホのデータ通信を消費する。公式は「B+FLEX ONLINE はβ版での提供となります」と明記している(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO・2026年9月7日確認)。遠距離通話を主目的に 7X EVO を選ぶなら、この機能がまだβ版である点は踏まえておきたい。

どちらもモバイル回線を使う以上、圏外では機能しない。山間部の林道や電波の弱いエリアでは、結局は近距離メッシュが頼りになる。普段のツーリングで効くのは近距離メッシュの安定性のほうだと考えておいたほうが現実的だろう。

他社・旧機種と繋がるか

両機とも、メーカーをまたいだ通話にはユニバーサル通話(Bluetooth を使った相互接続)を使う。ただしこれは Bluetooth ベースの接続なので、メッシュの利点(自動復帰・多人数)は使えない。仲間が別ブランドのインカムを使っている場合は、この点を踏まえて相談しておきたい。

音と保証

音響:SOUND BY BOSE と B+COM Ride Audio

音質はどちらも大手オーディオメーカーとの協業を前面に出している。

  • SENA 60X:SOUND BY BOSE。スピーカーは40mm・厚み9mm。AI ベースのノイズキャンセリングと FM ラジオも搭載する(出典:SENA 60X 機能・仕様)
  • B+COM 7X EVO:B+COM Ride Audio。パイオニアと共同開発した音響で、「ライドオーディオという新ジャンル」と公式は表現している(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO)

音の good/bad は好みに大きく左右される。どちらが優れているとは書けない。気になるなら、第三者レビューの聴き比べで好みに近い評価を探すのが確実だ。

保証:表記に食い違いがある

ここは注意が必要な項目だ。

  • SENA 60X:製品ページと仕様ページの表記は「限定生涯保証」。ところが SENA Bluetooth Japan のサポート内にある製品保証のページは「製品保証期間は、購入日から2年(Quantum Serieは3年)です。」という記載のままで、生涯保証にはまったく触れていない(出典:SENA 免責・製品保証・2026年9月7日確認)。製品ページが先に更新され、保証規定ページの更新が追いついていない可能性が高いが、公式内で表記が一致していない以上、「一生保証される」と読むのは早い
  • B+COM 7X EVO:「1年(SYGN HOUSE .MEMBERSにて製品登録することで追加で1年)」。登録すれば実質2年になる(出典:サインハウス公式 B+COM 7X EVO・2026年9月7日確認)

「国産だから保証が手厚い」という思い込みは、この2機種では通用しない。7X EVO は登録して実質2年であり、SENA の「限定生涯保証」の表記より短い。ただし SENA 側の表記が公式内で割れている以上、保証の長さを決め手にするのは避けたほうがいい。

保証で本当に効くのは年数より修理の近さだ。サインハウスは国内メーカーで、日本語でのサポートと修理受付が直接受けられる。ここは 7X EVO の明確な強みになる。

総合比較表

項目 SENA 60X B+COM 7X EVO
価格(シングル) 59,800円 59,400円(400円安い)
価格(ペア) 113,800円(600円安い) 114,400円
充電方式 Qi 規格対応ワイヤレス+有線 有線のみ
充電時間 約1.5時間 約2時間
連続通話/連続使用 Bluetooth 29時間/メッシュ19時間 最大14時間(モード不明)
操作 ジョイスティック+カスタムボタン2 クレードル着脱+ボイスコマンド
本体の着脱・使い回し クランプキット2セット同梱(取り付け方式の説明は公式になし) マグネット&レバーロック式クレードル
重量 68g 63g
厚み 26mm 24.4mm
設置面の大きさ 89×44mm 111.3×51.7mm
接続人数(非公開) 最大24人(同時発話6人) 最大20人
防水 IPX7 IP67相当
サポート グローバルブランド(国内代理店あり) 国産メーカーの直接サポート
入手性 先行2026年9月4日/一般9月11日 2026年3月27日発売・流通中
保証 「限定生涯保証」(表記に食い違いあり) 1年+登録で1年

太字は、その項目で優位または特徴的なほう。ただし価格・重量・厚みの差はいずれもわずかで、これ単独で結論を出せるものではない。

規格・法律のポイント(技適)

インカムは、ヘルメット本体のような安全規格(JIS=日本産業規格・PSC・SG・SNELL など)の対象ではない。これらはヘルメットの帽体の保護性能に関わる規格で、インカムはヘルメットに取り付ける電子機器(無線機)だからだ。

この2機種を選ぶうえで関係するのは、無線機としての技適(電波法に基づく技術基準適合証明)である。

  • 日本国内で電波を出す無線機は、技適を取得していることが前提になる
  • SENA 60X の仕様ページには認証の欄に「CE, FCC, IC, KC, J-MIC, SRRC」と記載があり、日本向けの認証(J-MIC)を取得していることが示されている(出典:SENA 60X 機能・仕様・2026年9月7日確認)
  • B+COM は国内メーカー(サインハウス)の製品で、国内向けに販売されている
  • 一方、海外から個人輸入した並行輸入品は技適が未取得の場合があり、そのまま国内で使うと電波法上の問題が生じうる。保証・サポートの扱いも国内正規品と異なることがある

両機とも国内正規流通品の価格が6万円弱と明確なので、あえて並行輸入を選ぶ理由は乏しい。購入時は国内正規流通品かどうかを確認しておきたい。

どちらを選ぶべきか(用途別)

SENA 60X がおすすめな人

  • 充電のたびにケーブルを挿すのが面倒で、Qi 充電パッドに置くだけにしたい人(※パッドは別途用意が必要)
  • 1回の充電で長く走りたい人。メッシュ19時間/Bluetooth 29時間という余裕は、連泊ツーリングで効く
  • 厚手のグローブでの操作性を優先する人。ジョイスティックとカスタムボタンの物理操作に期待できる
  • ヘルメット側面の平らな面積が狭く、89×44mm という小さい設置面がありがたい人
  • 大人数のグループで走ることがあり、最大24人の枠がほしい人

SENA 60X
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SENA 60X デュアルパック(2台セット)

SENA 60X デュアルパック
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B+COM 7X EVO がおすすめな人

  • ヘルメットに付けっぱなしが基本で、63g という軽さと24.4mm の薄さを取りたい人
  • 本体をワンタッチで外したい人。マグネット&レバーロック式クレードルは、洗車時・保管時にも効く
  • 国産メーカーの日本語サポートと修理の近さに安心を感じる人
  • 声で操作したい人。ボイスコマンドで本体に触れる回数を減らせる
  • 実際に使った人のレビューを読んでから決めたい人。2026年3月発売で情報が蓄積されている

B+COM 7X EVO
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B+COM 7X EVO ペアユニット(2台セット)

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迷ったときは

「充電をどうしたいか」を先に決めてほしい。

宿に着いて、スマホと一緒にパッドへ置いておきたい人は 60X。ヘルメットから片手でパチンと外して机の上で充電したい人は 7X EVO。この1問に答えられれば、残りのスペック差は誤差の範囲に収まる。

それでも決まらない場合は、新しさをどう扱うかで分かれる。60X は2026年9月発売の新製品で、長期使用の情報がまだ少ない。「人柱は避けたい」なら 7X EVO、「最新の機構を試したい」なら 60X という判断も成り立つ。

価格・購入方法

シングルは400円差、ペアでは600円逆転する

SENA 60X B+COM 7X EVO 差
シングル(税込) 59,800円 59,400円 7X EVO が400円安い
デュアル/ペア(税込) 113,800円 114,400円 60X が600円安い

(出典:SENA「60X」発売日・価格決定のお知らせ/SENA 60X パッケージ/サインハウス公式 B+COM 7X EVO。確認日 2026年9月7日)

1台だけ買うなら 7X EVO が400円安く、2台買うなら 60X が600円安い。どちらの差も、6万円の買い物における0.7%以下だ。価格を決め手にしないほうがいい。

2台まとめて買うなら(デュアルパック/ペアユニット)

タンデムの相方と2台そろえるなら、シングルを2つ買うより2台セットのほうが安い。ただし割引率は思ったほど大きくない。

2台セット(税込) シングル×2 差額 割引率
SENA 60X デュアルパック(0411375) 113,800円 119,600円 5,800円 約4.8%
B+COM 7X EVO ペアユニット(00083262) 114,400円 118,800円 4,400円 約3.7%

(出典:SENA 60X パッケージ/サインハウス公式 B+COM 7X EVO。確認日 2026年9月8日)

どちらも5%に届かない。「2個セットだから大幅に得」と考えていると期待外れになる。それでも4,400〜5,800円は実額として小さくないので、最初から2台必要だと分かっているならセットを選ぶ理由はある。

上の表はメーカー希望小売価格どうしの比較だ。販売店の実勢価格は希望小売価格を下回ることがあり、そのときは「60X が600円安い」という順序も入れ替わりうる。2台で買うと決めているなら、購入直前に両方の販売ページで実際の価格を見比べてほしい。

なお購入できる場所には差がある。B+COM 7X EVO のペアユニットは楽天と Amazon の両方に取扱いがあるのに対し、SENA 60X は本記事の確認時点(2026年9月8日)で Amazon の取扱いを確認できなかったため、60X は楽天のみの案内になっている。これは販売経路の差であって、製品の優劣とは関係がない。60X は一般発売が2026年9月11日なので、その後に取扱いが増える可能性がある。

購入リンクは、両機のシングルとあわせてすぐ下の「入手性」の節にまとめてある。

入手性:7X EVO は流通中、60X は発売直後

  • B+COM 7X EVO:2026年3月27日発売。すでに流通しており、評価も出ている
  • SENA 60X:2026年9月4日に SENA プロショップで先行販売、2026年9月11日に全国のバイクショップで一般発売(出典:SENA「60X」発売日・価格決定のお知らせ)

両機とも発売済みで、いまはどちらも販売ページで買える。在庫や納期は時期によって動くため、注文前に販売ページで発送時期を確認したい。

SENA 60X

SENA 60X
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SENA 60X デュアルパック(2台セット)

SENA 60X デュアルパック
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SENA 60X デュアルパックを Amazon で見る

B+COM 7X EVO

B+COM 7X EVO
B+COM 7X EVO を楽天で見る

B+COM 7X EVO ペアユニット(2台セット)

B+COM 7X EVO ペアユニット
B+COM 7X EVO ペアユニット(2台セット)を楽天で見る
B+COM 7X EVO ペアユニット(2台セット)を Amazon で見る

よくある質問

Q. SENA 60X は B+COM 7X EVO の上位機ですか?

A. いいえ。両者は別メーカーの現行フラッグシップであり、上下関係はない。発売時期は 60X のほうが新しいが、価格はほぼ同じで、優位な項目は互いに分かれている(60X=充電・通話時間・接続人数/7X EVO=重量・薄さ・着脱・国内サポート)。

Q. 60X のワイヤレス充電器は付いてきますか?

A. 付いてこない。SENA 公式のシングルパック同梱物に記載があるのは USB Type-C 充電ケーブルのみで、Qi 充電パッドは含まれない(出典:SENA 60X パッケージ)。手持ちのスマホ用パッドを流用するか、別途購入することになる。グローバル公式は互換性の条件を「Qi 認証済みの充電器」と記載しているが、出力(W数)などの細かい条件までは公式で確認できなかった。

Q. 通話時間が29時間と14時間なら、2倍以上の差がありますか?

A. その読み方は正確ではない。60X の29時間は Bluetooth 利用時の値で、メッシュ利用時は19時間だ。一方 7X EVO の「最大14時間」は、どのモードの数値か公式に明記がない。条件をそろえて比べられないため、「60X のほうが電池に余裕がある」という理解にとどめておくのが妥当だ。

Q. SENA と B+COM のインカムどうしで通話できますか?

A. ユニバーサル通話(Bluetooth を使った相互接続)でつながる。ただしメッシュ通信ではないため、はぐれたときの自動復帰や多人数接続といったメッシュの利点は使えない。仲間と別ブランドを混ぜる場合は、この制約を前提にしてほしい。

Q. 60X は Wave Intercom に対応していますか?

A. 対応している。SENA 日本公式の 60X 製品ページに「WAVE INTERCOM x MESH3.0」の節があり、WAVE Intercom アプリを使えば他社インカムも参加できると説明されている(2026年10月10日確認)。スマートフォンのモバイル通信を使うため、圏外では使えない。

Q. 保証はどちらが長いですか?

A. 決め手にしないほうがいい。7X EVO は1年+製品登録で1年の実質2年。60X の製品ページは「限定生涯保証」と書かれているが、SENA の製品保証ページは「購入日から2年(Quantum Serie は3年)」という記載のままで、公式内で表記が一致していない(出典:SENA 免責・製品保証)。年数より、修理を受けられる窓口の近さで考えたほうが実用的だ。

まとめ

SENA 60X と B+COM 7X EVO は、価格で選べない2機種だ。シングルで400円、ペアで600円の差しかなく、しかも順番が入れ替わる。

だからこの記事では、充電と操作という「毎日触る部分」の思想差を判断軸に置いた。

  • SENA 60X ── Qi 規格対応で置くだけ充電。有線でも約1.5時間と速い。メッシュ19時間/Bluetooth 29時間と電池に余裕があり、ジョイスティック+カスタムボタンでグローブのまま操作できる。設置面は89×44mm と小さい。Qi 充電パッドは同梱されない
  • B+COM 7X EVO ── 63g・厚み24.4mm と軽く薄い。マグネット&レバーロック式クレードルで本体を外しやすい。ボイスコマンドで触れる回数を減らせる。国産メーカーの直接サポートと、半年ぶんの実使用情報が読める安心がある

迷ったら「充電をどうしたいか」の1問に答えてほしい。パッドに置きたいなら 60X、外して充電したいなら 7X EVO。ここが決まれば、残りの差は誤差の範囲に収まる。

なお本記事では、7X EVO の「最大14時間」の測定モード、7X EVO の通信距離、60X の保証年数(公式内で表記が割れている)、Qi 充電器の出力条件、B+COM 側の同時発話人数の制限、7X EVO のボイスコマンドの対応言語数を、公式で確認できなかったため断定していない。これらを重視して選ぶ場合は、購入前にメーカーへ直接確認してほしい。

SENA 60X

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SENA 60X デュアルパック(2台セット)

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B+COM 7X EVO

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B+COM 7X EVO ペアユニット(2台セット)

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各機種を単体で深掘りするなら SENA 60X レビュー・B+COM 7X EVO レビュー が、Cardo も含めて3ブランドで見るなら フラッグシップインカム比較 が参考になる。

出典・参考記事

※価格・仕様・対応状況は SENA 公式・サインハウス公式および取得時点(2026年9月7日)の確認値。変動するため最新情報は各メーカー・各販売ページで確認のこと。

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