【Kaedear KDR-D801-BSD レビュー】BSD が知らせるのはどこまでか|6,002円差で買うのは画質ではない

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【Kaedear KDR-D801-BSD レビュー】BSD が知らせるのはどこまでか|6,002円差で買うのは画質ではない

【Kaedear KDR-D801-BSD レビュー】BSD が知らせるのはどこまでか|6,002円差で買うのは画質ではない

 

四輪では、後ろの死角に車がいるとミラーの隅にランプが灯る。BSD(ブラインドスポットディテクション)と呼ばれる仕組みだ。あれをバイクにも付けられないか——そう考えて調べていくと、Kaedear(カエディア)の KDR-D801-BSD にたどり着く。前後2カメラのドライブレコーダーに、BSD と3.5インチのモニターを載せた33,990円の製品だ。

ところが、この機種は調べにくい。実機を使い込んだ独立レビューが、ほとんど見当たらない。 検索して出てくるのはメーカーの製品ページと補修部品のページ、それに販売店の商品ページばかりで、読めるのは機能の一覧だけだ。個人ブログで見つかるレビューも、モニターを持たない兄弟機 KDR-D811 のものだったりする。

だから、こういう疑問が宙に浮いたままになる。

  • BSD は、どこから、どのくらいの速さで近づく車を知らせてくれるのか
  • 機能が多いのはわかった。それで33,990円は妥当なのか
  • 箱を開けたら、すぐ使えるのか(追加で何を買うことになるのか)

この記事では、Kaedear 公式の製品ページと、同社が別に売っているレーダー式 BSD センサーのページ、そして兄弟機のスペックを突き合わせて、この33,990円の中身を整理する。結論を先に書くと、BSD の作動条件は公表されていない。そしてこの機種の差額で買っているのは、画質ではない。良い点と同じ分量で、そこも並べる。

※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。商品リンクから購入された場合、売上の一部が当サイトに還元されることがあります。評価・紹介内容は公式スペックと公開情報に基づく独自の調査によるもので、報酬の有無で内容を変えていません。

結論:KDR-D801-BSD は「録る」より「見せる・気づかせる」に寄せた1台

先に結論を示す。KDR-D801-BSD は、記録性能を上げた機種ではなく、走行中にライダーへ情報を返すことに振った機種だ。

  • BSD は「気づく手がかりを1つ増やす」装備であって、運転支援ではない。 公式の説明は「光でお知らせ(映像認識)」の一文だけで、作動する距離も速度域も公表されていない。ミラー確認と目視の代わりにはならない。
  • 6,002円の差額で買っているのは、画質ではない。 モニターを持たない兄弟機 KDR-D811(27,988円)と、撮像素子・解像度・フレームレート・視野角・レンズF値がすべて一致する。差額で付いてくるのは3.5インチモニターと BSD、そしてバンク角・空気圧・電圧といった表示機能だ。
  • 箱を開けてすぐ全部が動くわけではない。 microSD カードは公式が「付属無」と明記している。
  • 保証は1年。 ただし補修部品がネジ単位で買え、ファームウェアの更新データが無償で公開されている。保証年数とは別の軸で見る価値がある。

つまりこの機種は「高性能なドライブレコーダー」ではなく、ドライブレコーダーの上に小さな情報端末を載せた装備だ。以下、この見立てを公式情報で一つずつ検証する。

評判の検証①:BSD は何を、どこまで知らせるのか

この機種を選ぶ理由の中心にあるのが BSD だ。まずここから確かめる。

公式が書いているのは、一文だけ

Kaedear の製品ページで BSD について書かれているのは、次の一文である。

「BSD後方視覚監視システムが光で危険をお知らせ(映像認識)」

(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD・確認日2026年8月14日)

方式は映像認識だ。 専用のレーダーを積むのではなく、後方の映像を解析して接近を判定する。すでに付いているカメラを使う、という設計になる。

警告は光で行う。製品ページの配線仕様には「BSD:50cm+70cm」という長さの異なる2本の記載があり、BSD ランプ(50cm+70cm)が補修部品として単品でも売られている。視界に入る位置へ置く警告灯が、本体とは別部品として存在するという構成だ。

作動条件は公表されていない

問題はここからだ。何メートル後ろから、時速何キロで近づく車を、どの精度で知らせるのか。 公式の製品ページに記載がない。誤検知の程度についても書かれていない。

これは「性能が低い」という意味ではない。判断材料が公開されていない、という意味だ。そして安全に関わる装備でそれが起きると、読者は自分の走り方に照らして評価できなくなる。

同じ Kaedear のレーダー式は、数値を公表している

ここで比較になるものがある。Kaedear は BSD を単体でも売っている。 KDR-D201 という、ミリ波レーダーを使った後方死角検知センサーだ(11,880円・税込)。

こちらは作動条件が数値で書かれている。

項目 KDR-D201(ミリ波レーダー式・11,880円) KDR-D801-BSD の BSD
検知方式 ミリ波レーダー 映像認識
検知範囲 最大30m/135° 記載なし
作動条件 他車両速度30km/h以上かつ接近中 記載なし
警告 15m以内に接近したとき LED ランプ点灯(淡黄色) 「光でお知らせ」とのみ
価格(税込) 11,880円 ——(KDR-D801-BSD 本体33,990円に含む)

出典:Kaedear 公式 BSD ブラインドスポットセンサー KDR-D201Kaedear 公式 KDR-D801-BSD(いずれも確認日2026年8月14日)

同じメーカーの同じ用途の製品でありながら、片方は数値を出し、もう片方は出していない。

そして、映像認識についてこう書かれている

さらに踏み込んだ記述が、KDR-D201 のページにある。

「夜間や悪天候時でも映像に依存せず、安定した検知性能を発揮します。(映像認識方式では環境条件に左右されることがあります。)」

(出典:Kaedear 公式 KDR-D201・確認日2026年8月14日)

メーカー自身が、映像認識方式には環境条件による影響があると書いている。

ここは慎重に読みたい。この文はレーダー式である KDR-D201 の長所を説明するために書かれたもので、KDR-D801-BSD を実際に測って評価したものではない。「D801-BSD の BSD は夜や雨で使えない」と読むのは行きすぎだ。

それでも、押さえておくべき事実ではある。カメラの映像を使う以上、カメラが見えにくい条件では判定も影響を受ける——その一般論を、ほかならぬメーカーが自社ページに書いている。作動条件が公表されていないこととあわせると、この BSD をどこまで信じるかは、買う側が保守的に決めるしかない

だから「ミラーを見なくてよくなる」装備ではない

以上を踏まえた本記事の立場を、はっきり書いておく。

KDR-D801-BSD の BSD は、気づく手がかりを1つ増やすための補助である。 後方確認の手順を減らすための装備ではない。ランプが点かなかったことを「後ろに何もいない」の根拠にはできない。

そのうえでなら、意味はある。ドライブレコーダーは本来「起きたことを残す」装備だ。そこに「起きる前に気づく」きっかけを足そうとしている製品は、安全装備として方向性が正しい。過信しない前提で使うなら、後方への意識が1つ増えること自体が価値になる。

評判の検証②:「上位機だから画質もいい」は成り立たない

Kaedear のドライブレコーダーは3機種ある。KDR-D801-BSD(33,990円)、KDR-D811(27,988円)、KDR-D711(22,000円)だ(出典:Kaedear 公式 ドライブレコーダー・スマートモニター一覧・確認日2026年8月14日)。

いちばん高いのだから画質もいちばん良いはずだ、と考えたくなる。だが公式スペックを並べると、そうはなっていない。

KDR-D811 とスペックを並べる

KDR-D811 は、モニターを持たない兄弟機だ。本体をシート下に隠し、状態はステータスリモコンで確認する。

項目 KDR-D811(27,988円) KDR-D801-BSD(33,990円)
イメージセンサー SONY STARVIS IMX307 SONY IMX307(同じ)
解像度 200万画素(1920×1080) 同じ
フレームレート 27.5FPS 同じ
視野角 150° 同じ
レンズF値 F1.8 同じ
HDR・WDR 対応 対応
モニター なし(ステータスリモコン) 3.5インチ(114×74×37mm)
BSD なし あり(映像認識)
バンク角・空気圧・電圧計・GPS速度計・バックモニター 記載なし あり
GPS あり あり(モニター本体内蔵)
Wi-Fi あり あり(アプリ接続用)
microSD 最大128GB(クラス10 UHS-I U3) 最大128GB(クラス10/UHS-I/U3)・付属無
保証 1年 1年(同じ)
工事設計認証番号 R214-240489 R219-239359

出典:Kaedear 公式 KDR-D811Kaedear 公式 KDR-D801-BSD(いずれも確認日2026年8月14日)

映像に関わる項目が、5つとも一致している。 センサーの型番、解像度、フレームレート、視野角、レンズの明るさ。記録される映像そのものは、同じ土俵にある。

差額6,002円で得るもの

では、6,002円は何に払っているのか。表の下半分がその答えになる。

  • 3.5インチのモニター(114×74×37mm)
  • BSD(映像認識・前述)
  • バンク角メーター(ジャイロセンサー)
  • タイヤの空気圧と温度の表示(KPA)
  • 電圧計
  • GPS 速度計
  • バックモニター機能
  • ワイヤレスリモコン(CR2032・75×30×24mm)

つまり、走行中にライダーが見るための情報である。記録される映像の質ではない。

これは欠点ではない。モニターと BSD に価値を感じる人にとっては、6,002円は妥当な差額だ。ただし「上位機だから映像もきれいに残るはず」と期待して選ぶと、その期待だけは外れる。

差額で背負うもの

もう一方も書いておく。ハンドル周りに露出する部品が1つ増える。

KDR-D811 は本体をシート下に隠せる設計で、外から見える要素が少ない。対して KDR-D801-BSD は、3.5インチのモニターを見える位置に置くことが前提になる。情報を見るための装備なのだから当然だが、車体の見た目や、駐車中に人目に触れる部品の数は変わる

保証は両機とも1年で、ここに差はない。

評判の検証③:「全部入り」に見えて、箱に入っていないもの

機能の一覧を読むと、すべてが同梱されているように見える。実際には、別に用意するものがある。

microSD カードは付属しない

公式の仕様欄には、こう書かれている。

「microSDカード:クラス10/UHS-I/U3/128GBまで※ライセンスを取得した正規のカード(付属無)」

(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD・確認日2026年8月14日)

「付属無」と明記されている。 買ったその日に録画を始めるには、対応する microSD カードを別に用意する必要がある。

これは製品の欠点というより、前提の違いだ。たとえばデイトナ MiVue M820Pro は64GB のカードが同梱される。機種によって「買ってすぐ動く状態」の線引きが違うので、総額を見積もるときはこの差を計算に入れておきたい。

空気圧センサーは単品でも売られている

タイヤの空気圧と温度をモニターに表示する機能は、この機種の目玉の1つだ。その空気圧センサーは、1本2,200円(税込)で単品販売されている。購入時にフロント(FW)とリア(RW)を選ぶ形式で、複数個必要なら別途注文する。

ただし、本体に何本同梱されるのかは公式の製品ページに記載がない。 製品ページには同梱物のリストそのものが無く、販売店のページには同梱されると読める記載もある。本記事では同梱の有無を断定しない。 確実に言えるのは、必要になったときに1本2,200円で買い足せるということだ。

防水は「IP67」の一言だけ

公式の仕様欄には「防水レベル:IP67」とある。部位ごとの記載はない。

ここで気になるのは、同じ Kaedear の他の2機種は、部位を分けて書いていることだ。

機種 公式の防水表記
KDR-D811 「IP67(本体、ステータスリモコン、カメラ、GPS、アダプター、各コネクター)」(部位を列挙)
KDR-D711 カメラ・リモコン・GPS・各コネクター=IP67/本体=IP65(等級を書き分け)
KDR-D801-BSD 「防水レベル:IP67」のみ(部位別の記載なし)

出典:Kaedear 公式 KDR-D811Kaedear 公式 KDR-D711Kaedear 公式 KDR-D801-BSD(いずれも確認日2026年8月14日)

KDR-D801-BSD は3.5インチのモニターを雨ざらしの位置に置く構成なので、その等級は読者にとって実利のある情報だ。しかし公式の書き方からは、IP67 がモニターを含むのかどうかを読み取れない

「モニターも IP67 だ」とも「モニターは防水ではない」とも、本記事では書かない。同社の他機種は部位別に書いているのに、本機は一括表記である——という事実だけを示す。気になる場合は購入前に販売元へ確認してほしい。

保証は1年

メーカー保証期間は1年(ご購入日と同日が期限)と明記されている(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD)。

他社と比べると短い。デイトナは MiVue シリーズに3年保証を明記しており、3倍の差がある。ただし M820Pro は53,900円で、本機より約2万円高い。保証年数だけを切り出して比べる話ではない

ただし、保証年数の外側に別の材料がある。それは次の「裏づけ③」で扱う。

KDR-D801-BSD を選ぶと得られること

ここまでの検証を踏まえて、この機種を選んだときに手に入るものを3つに整理する。

① 走行中に「後ろ」「タイヤ」「電圧」が視界に入る

BSD のランプ、空気圧と温度、バッテリー電圧、バンク角。走りながら確認できる情報が、ハンドル周りの3.5インチに集まる。ドライブレコーダーが本来やらない仕事だ。

② 画質を落とさずに、情報表示を足せる

映像スペックは兄弟機 KDR-D811 と同一だ。モニターと BSD を足したことで記録性能が犠牲になっている、ということはない。

③ 壊れた部品だけを買い直せて、ファームウェアも更新される

補修部品が単品で公開販売され、更新データが無償で配布されている。保証1年という数字だけでは見えない部分だ。

以下、この3つの裏づけを順に見ていく。そのうえで最後に、基本スペックと規格まわりを整理する。

裏づけ①:3.5インチのモニターに集約される情報

1つ目の「走行中に情報が視界に入る」を支えるのが、3.5インチのモニター(筐体114×74×37mm)だ。ここに何が出るのかを整理する(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD・確認日2026年8月14日)。

タイヤの空気圧と温度

空気圧センサーによって、タイヤの温度と空気圧をリアルタイムで確認できる(単位は KPA)。

バイクの空気圧は、走行前に手元のゲージで測るのが一般的だ。それが走りながら見えるようになると、長距離の途中で異常に気づける可能性が出てくる。空気圧の低下はハンドリングとタイヤの寿命に直結するため、ツーリングの距離が長い人ほど効く機能だといえる。

ただし前述のとおり、この表示を使うにはセンサーが要る。単品では1本2,200円だ。前後で見るなら2本必要になる。

なお公式ページには「空気圧センサーは必ずゆるみ止めナットを使用し、ダブルナットの原理で固定してください」という注意書きがある。走行中の緩みと脱落を防ぐ施工が前提の部品だと考えておきたい。

バンク角メーター

ジャイロセンサーによるバンク角メーターを備える。どこまで寝かせたかが数値で出る、という機能だ。安全に直結する装備ではないが、ツーリングの記録としての楽しみがある。

GPS 速度計と電圧計

GPS による速度計を持つ。公式は「タイヤの摩耗の影響を受けない」という趣旨で説明している。車体のメーターは前輪の回転から速度を出すため、タイヤが減ると誤差が出る。GPS はその影響を受けない、という理屈だ。

電圧計も搭載する。バッテリーの電圧が走行中に見えるのは、電装品を追加している車体では判断材料になる。

バックモニターとリモコン

バックモニター機能を持ち、リアカメラの映像をモニターに映せる。加えてワイヤレスリモコン(CR2032・75×30×24mm)が付属し、手元で操作できる。

裏づけ②:映像そのものは KDR-D811・KDR-D711 と同じ土俵

2つ目の「画質を落とさずに情報表示を足せる」を、記録側のスペックで確認する。

撮像素子とレンズ

センサーは SONY IMX307(STARVIS)。解像度は HD200万画素(1920×1080)、視野角は 150°、レンズは F1.86G フルガラスレンズ。記録形式は H.264/TSHDR・WDR に対応する(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD)。

F1.8 というレンズの明るさは、この価格帯では素直に強い。 数字が小さいほど多くの光を取り込めるため、夜間やトンネルで有利に働く。前後2カメラともこの仕様である。

27.5FPS という半端な数字の理由

フレームレートは 27.5FPS だ。30FPS でも60FPS でもない。これには理由がある。公式はこう説明している。

「【IMX307スタービス/全国のLED信号に対応】 東日本50hz、西日本60hzそれぞれの地域のLED信号の周波数に録画周期が一致しにくいフレームレート27.5fpsを採用しています。」

(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD・確認日2026年8月14日)

LED の信号機は電源周波数に合わせて高速で点滅している。カメラの録画周期がその点滅と一致してしまうと、映像の中で信号が消えて写ることがある。東日本と西日本では電源周波数が違うため、どちらの地域でも一致しにくい数字として 27.5FPS が選ばれている、という説明だ。

事故の記録で信号の色が写っていないのは致命的なので、ここは実用上の配慮といえる。

記録メディアは別に用意する

microSD はクラス10/UHS-I/U3/128GB までに対応する。前述のとおり付属しない

あわせて覚えておきたいのは、microSD が消耗品であることだ。ドライブレコーダーは上書き録画を延々と続けるため、カードは確実に劣化する。定期的なフォーマットと、数年単位での交換を前提にしたい。

録画まわりの機能

  • 駐車監視機能
  • G センサーによるファイルロック補助(衝撃を検知したファイルを上書きから守る)
  • ディレイ機能(降車後も一定時間の撮影に対応)
  • スーパーコンデンサによる設定の記憶
  • 本体モニターにマイク内蔵

なお駐車監視については、公式ページに「駐車監視機能」とあるのみで、録画時間や検知方式、バッテリー保護の条件までは記載がない。兄弟機の KDR-D811 は「キーオフ時に衝撃検知で30秒間撮影」と明記しているが、本機が同じ仕様かどうかは確認できなかった。駐車監視でバッテリーが上がらないかを重視するなら、取り付けを依頼する店に相談したい。

裏づけ③:買ったあとに効いてくる、部品供給とファームウェア

3つ目の「壊れた部品だけを買い直せる」を確認する。保証1年という数字の外側にある話だ。

補修部品が単品で買える

Kaedear は、この機種の補修部品を公式サイトで個別に販売している。

ネジ2本まで単品で売っている、という点は姿勢として珍しい。ドライブレコーダーはカメラもケーブルも車体の外に出る装備で、転倒すれば真っ先に当たる。1か所壊れたら本体ごと買い直し、という状況にならないのは、長く使う前提では意味がある。

ファームウェアの更新データが無償で公開されている

もう1つが、ファームウェアの更新だ。

バージョン V1.4.2A の更新データが無料で配布されている。内容は「フロントカメラとリアカメラのコネクターを交換して使用可能」になる改善だ。手順は、ZIP を展開して bin ファイルと cfg ファイルを microSD に入れ、本体にセットして電源を入れると自動で実行される。更新後は SD カードのフォーマットが必須とされている。

買ったあとに製品が直る/変わる余地があるということだ。保証1年という数字だけを見ると他社より不利に映るが、部品供給と更新データという2つの軸をあわせて評価したい。

KDR-D801-BSD の基本スペック

ここまでの検証と根拠を、公式仕様で一覧にする(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD・確認日2026年8月14日)。

項目 KDR-D801-BSD
販売価格 33,990円(税込)
カメラ構成 前後2カメラ(分離型)
イメージセンサー SONY IMX307(STARVIS)
解像度 HD200万画素(1920×1080)
フレームレート 27.5FPS(全国の LED 信号に対応)
視野角 150°
レンズ F1.8・6G フルガラスレンズ
記録形式 H.264/TS
HDR・WDR 対応
モニター 3.5インチ(筐体114×74×37mm)
BSD 搭載(映像認識/作動条件は公式非公表)
そのほかの表示 バンク角メーター(ジャイロ)/タイヤ空気圧・温度(KPA)/電圧計/GPS 速度計と警告/バックモニター
リモコン ワイヤレスリモコン付属(CR2032・75×30×24mm)
測位 GPS(モニター本体内蔵・シングルバンド)
無線 Wi-Fi(アプリ接続用)
駐車監視 搭載(詳細仕様は公式に記載なし
そのほかの機能 G センサーによるファイルロック補助/ディレイ機能/スーパーコンデンサによる設定記憶/本体モニターにマイク内蔵
記録メディア microSD クラス10/UHS-I/U3/128GB まで(付属無
防水 IP67(部位別の記載なし
動作温度 -10〜70℃
電源 車両12V アダプター 12〜30V(常時+ACC+マイナス)/USB ハーネス 5V2A
BSD ランプの配線長 50cm+70cm の2本(そのほかフロント・リア・電源12V・USB の各ケーブルが付属)
保証 1年(ご購入日と同日が期限)
技適(工事設計認証番号) R219-239359

価格・在庫は販売ページで確認できる。


カエディア Kaedear ドライブレコーダー BSD KDR-D801BSD HD店

規格・法令まわりで押さえること

ヘルメットの安全規格は対象外

ドライブレコーダーは乗車用ヘルメットではないため、JIS(日本産業規格)・PSC・SG といったヘルメットの安全規格は対象にならない。 装備を選ぶときに規格の話が出てこないのは、そのためだ。

無線を使う機器としての技適

いっぽうで技適(工事設計認証)は関係する。Wi-Fi を使う機器を国内で使うには、電波法にもとづく認証が必要になる。

KDR-D801-BSD は、工事設計認証番号 R219-239359 を公式ページに明記している。 兄弟機の KDR-D811 は R214-240489 だ(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD同 KDR-D811)。

番号を製品ページに載せているメーカーは、実のところ多くない。当サイトで比較した5機種のうち、公式ページで番号を確認できたのは本機だけだった(→ バイク用ドライブレコーダー おすすめ5選)。記載がない=取得していない、という意味ではないが、確認できることは安心材料になる。

IP67 の読み方

IP67 の「6」は防塵、「7」は防水を表す。 6は粉じんが内部に入らないこと、7は一定の条件下で水に浸かっても影響がないことを示す等級だ。バイクの用途では、雨天走行と洗車を想定した水準といえる。

ただし前述のとおり、本機の公式表記は部位を分けていない。3.5インチのモニターまで含むのかどうかは、公式の書き方からは判断できない。

価格と、総額でいくらになるか

本体価格と工賃

販売価格は33,990円(税込)(出典:Kaedear 公式 KDR-D801-BSD・確認日2026年8月14日)。

ドライブレコーダーは、本体を買っただけでは使えない。車体から電源を取り、カメラを前後に固定し、配線を通す作業が要る。自分でやらないなら工賃がかかる。

ナップスが公表している基本工賃では、前後2カメラのドライブレコーダー取り付けが17,600円〜となっている(出典:ナップス 点火・電装系基本工賃表)。

33,990円 + 17,600円 = 約51,590円から。 これが店に頼んだ場合の目安になる。

さらに乗るもの

ここに、場合によって次が加わる。

項目 費用 必要になる条件
microSD カード 別途 必ず必要(公式に「付属無」と明記)
空気圧センサー 1本2,200円(税込) 空気圧表示を使いたい場合(同梱の有無は公式に記載なし)

本体価格だけを見て比べると、この判断を誤る。 当サイトで5機種を比較したときには、本体価格が190円しか違わない2機種の総額が、約17,800円も開くという結果になった。差は工賃だけだ。総額で並べ直したい人は、バイク用ドライブレコーダー おすすめ5選を参照してほしい。

KDR-D801-BSD が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 後方の状況に気づく手がかりを増やしたい人(過信しない前提で)
  • 走行中にタイヤの空気圧や電圧を見たい人——長距離ツーリングが多いほど効く
  • バンク角の記録に興味がある人
  • ハンドル周りにモニターを置けるスペースがある車体に乗っている人
  • 部品単位で直せることを重視する人——ネジ1つから買い直せる

向いていない人

  • BSD に運転支援を期待する人。作動条件が公表されておらず、方式は映像認識だ。ミラー確認と目視の代わりにはならない。
  • 画質を上げたい人。映像スペックは KDR-D811 と同一で、6,002円を払っても記録性能は変わらない。
  • ハンドル周りをすっきりさせたい人。モニターを見える位置に置く前提の製品だ。→ KDR-D811 を検討したい。
  • 保証年数を重視する人。本機は1年。デイトナの MiVue シリーズは3年を明記している。
  • 買ってすぐ使いたい人。microSD は付属しない。

KDR-D811・KDR-D711 とどう選び分けるか

Kaedear のドライブレコーダーは3機種ある。どれを選ぶかは、モニターが要るかどうかでほぼ決まる。

モニターが要らないなら KDR-D811(27,988円)

映像スペックは KDR-D801-BSD と同一で、本体をシート下に隠せる。防水の表記も「IP67(本体、ステータスリモコン、カメラ、GPS、アダプター、各コネクター)」と部位を列挙しており、どこまでが IP67 なのかが読み取れる。駐車監視も「キーオフ時に衝撃検知で30秒間撮影」と具体的だ。

BSD と各種メーター表示が不要なら、6,002円安いこちらで記録性能は変わらない。

とにかく安く前後を録るなら KDR-D711(22,000円)

センサーが SONY IMX323 に変わり、前後150°・GPS・Wi-Fi という必要十分を満たす。ただし公式は本体の防水を IP65 と書き分けている(カメラ・リモコン・GPS・各コネクターは IP67)。本体は水のかかりにくい場所に収める前提で考えたい。

そして、Kaedear の3機種を下から積み上げると、画質が変わるのは最初の5,988円だけだという構造が見えてくる。KDR-D711(22,000円)→ KDR-D811(27,988円)の5,988円でイメージセンサーが IMX323 から IMX307 に変わる——ここが唯一の画質アップグレードだ。その上の本機までの6,002円では、上で見たとおり映像スペックは1項目も動かない。詳しくは 【Kaedear KDR-D711 レビュー】上位機と違うのはセンサー1点 で、D711 側から同じ差額を検証している(駐車監視が常時電源を前提にしていて USB給電では作動しないという、価格表に出てこない条件も扱っている)。

レーダー式の BSD が欲しいなら

前述の KDR-D201(11,880円)が、ミリ波レーダー式の BSD センサーとして単体で売られている。作動条件が数値で公表されているのはこちらだ。

ただし、KDR-D801-BSD と併用できるかどうかは公式に記載がない(D201 のページには、同社のスマートモニター KDR-D21/KDR-D22 の電源アダプターと一体化して設置できる、という記載があるのみ)。併用できるともできないとも本記事では書かない。 後方検知そのものを重く見るなら、レーダー式という選択肢が同じメーカーにある、という事実は知っておきたい。

画質や保証を優先するなら他社へ

記録性能そのものに投資したいなら、比較の相手は他社機になる。

  • デイトナ MiVue M820Pro(53,900円)……2K と STARVIS 2、保証3年、microSD 64GB 同梱。映像に投資する装備。 ただし視野角は123°と狭い。
  • ミツバサンコーワ EDR-22G……対角162°という広い画角と、本体まで IP66/67 という設置の自由度が持ち味。余計なものを足さない方向の1台。

どちらが上、という話ではない。 走行中に情報を見せる装備が欲しいのか、映像そのものに投資したいのか、記録範囲の広さを取るのか。目的が違う3台として読み分けてほしい。

よくある質問(FAQ)

Q. BSD はどのくらいの距離・速度から知らせてくれますか?

A. 公式ページに記載がありません。 方式が「映像認識」であることだけが公表されています。参考までに、同じ Kaedear のレーダー式 BSD センサー KDR-D201 は「最大30m/135°」「他車両速度30km/h以上かつ接近中」「15m以内で点灯」と数値を公表しています。

Q. BSD があれば、ミラーを見なくてよくなりますか?

A. なりません。 気づく手がかりが1つ増えるだけの補助として扱ってください。ランプが点かないことは「後ろに何もいない」ことの根拠になりません。

Q. KDR-D811 と何が違いますか?

A. 映像スペック(センサー・解像度・フレームレート・視野角・F値)は同じです。 差は3.5インチモニター、BSD、バンク角・空気圧・電圧などの表示機能、ワイヤレスリモコンです。価格差は6,002円です。

Q. microSD カードは付属しますか?

A. 付属しません。 公式仕様に「付属無」と明記されています。クラス10/UHS-I/U3/128GB までに対応します。

Q. 空気圧センサーは同梱ですか?

A. 公式の製品ページに同梱物のリストがなく、確認できませんでした。 単品では1本2,200円(税込)で販売されており、フロント(FW)/リア(RW)を選んで注文します。

Q. モニターも防水ですか?

A. 公式は「防水レベル:IP67」とだけ書いており、部位別の記載がありません。 同社の KDR-D811 は部位を列挙し、KDR-D711 は本体を IP65 と書き分けています。気になる場合は購入前に販売元へ確認してください。

Q. 保証は何年ですか?

A. 1年です(ご購入日と同日が期限)。ただし補修部品が単品で販売され、ファームウェアの更新データが無償で公開されています。

Q. 技適は取得していますか?

A. 工事設計認証番号 R219-239359 が公式ページに明記されています。

Q. 冬でも使えますか?

A. 動作温度は -10〜70℃ と公表されています。

Q. ファームウェアは更新できますか?

A. できます。バージョン V1.4.2A の更新データが無料で公開されています(内容=前後カメラのコネクターを入れ替えて使用可能になる改善)。ZIP を展開して microSD に入れ、本体にセットして電源を入れると自動で実行されます。更新後は SD カードのフォーマットが必須です。

Q. 駐車監視でバッテリーは上がりませんか?

A. 公式ページには「駐車監視機能」とあるのみで、録画時間や電源の条件までは記載がありません。 取り付けを依頼する店に相談してください。

Q. 取付工賃を含めるといくらですか?

A. 本体33,990円に、ナップス公表の前後取付工賃17,600円〜を足して約51,590円からが目安です。これに microSD 代が加わります。

まとめ

  • BSD の作動条件は公表されていない。 公式の説明は「光でお知らせ(映像認識)」の一文だけだ。同じ Kaedear のレーダー式 KDR-D201 が「30m/135°」「30km/h以上」「15m以内で点灯」と数値を出しているのとは対照的で、しかも同ページには「映像認識方式では環境条件に左右されることがあります」と書かれている。過信しない前提で使う装備だ。
  • 6,002円の差額で買っているのは画質ではない。 モニターレスの KDR-D811 と、センサー・解像度・フレームレート・視野角・F値がすべて一致する。差額の中身は3.5インチモニターと BSD、そしてバンク角・空気圧・電圧の表示である。
  • 箱を開けてすぐ全部は動かない。 microSD は公式が「付属無」と明記。空気圧を表示するならセンサーが1本2,200円で必要になる。
  • 防水は「IP67」の一言だけ。 同社の他2機種は部位を書き分けているが、本機は一括表記で、3.5インチモニターを含むかは公式表記から判断できない。
  • 保証は1年とデイトナの3分の1。ただしネジ2本まで補修部品が買え、ファームウェアの更新データが無償で公開されている。
  • 店に頼んだ場合の目安は、本体33,990円+前後取付工賃17,600円〜で約51,590円から(+microSD 代)。

後ろに気づくきっかけを増やし、走りながらタイヤと電圧を見る。その価値に6,002円を払えるかどうかが、この機種を選ぶかどうかの分かれ目になる。記録される映像の質を上げたいのであれば、選ぶべきは別の機種だ。


カエディア Kaedear ドライブレコーダー BSD KDR-D801BSD HD店

出典・参考記事

メーカー公式(一次情報)

工賃

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